エラー処理の基礎

エラー処理の概要

ランタイムエラーは、ActionScript コードで生じた何らかの問題であり、Adobe Flash Player 内での ActionScript コンテンツの実行を中止するものです。ActionScript コードをユーザーにとってスムーズに動作させるには、エラーを処理するように、つまりエラーの修正、回避、または少なくともユーザーへの通知を行うようにアプリケーションでコードを記述する必要があります。この処理を "エラー処理" と言います。

エラー処理は広範な概念で、コンパイル中または実行時に発生する多くの種類のエラーに対する応答を含みます。多くの場合コンパイル時に発生するエラーはより簡単に識別できます。SWF ファイルの作成処理を完了するには、こうしたエラーを修正する必要があります。この章では、コンパイル時のエラーについては説明しません。コンパイル時のエラーを含まないコードの記述方法の詳細については、ActionScript 言語とシンタックスおよびActionScript のオブジェクト指向プログラミングを参照してください。この章では、ランタイムエラーに焦点を当てます。

ランタイムエラーが発生するには、誤ったコードが実際に実行されることが必要であるために、その検出はより難しくなります。if..then..else ステートメントなど、プログラムのセグメントにコードの分岐がいくつか存在する場合、コードにエラーが含まれないことを確認するために、実際のユーザーが使用する可能性があるあらゆる入力値ですべての条件についてテストする必要があります。

ランタイムエラーは "プログラムエラー" と "論理エラー" 2 つのカテゴリに分類できます。プログラムエラーは、メソッドパラメータに誤ったデータ型を指定するなど、ActionScript コード内の誤りです。論理エラーは、銀行業務アプリケーションで利率計算に誤った数式を使用するなど、プログラムの論理ロジック (データチェックおよび値操作) の誤りです。この 2 つのタイプのエラーも、アプリケーションの入念なテストにより事前に検出および修正できることが少なくありません。

理想的には、エンドユーザーにリリースする前に、アプリケーションのすべてのエラーを識別して削除することが望まれます。ただし、すべてのエラーを予見または防止することはできません。たとえば、管理下にない特定の Web サイトから ActionScript アプリケーションが情報をロードする場合を考えます。ある時点でその Web サイトが使用可能でなければ、該当する外部データに依存するアプリケーションの一部分が正しく動作しません。エラー処理の最も重要な要素は、こうした不明なケースに備えて安全なエラー処理を行い、ユーザーがアプリケーションの使用を続行できること、または少なくとも処理が不可能である理由を説明するわかりやすいエラーメッセージを表示することが必要です。

ActionScript では、ランタイムエラーは次の 2 つの方法で表されます。

特定のメソッドでエラーまたはエラーイベントをトリガできるかどうかについては、ActionScript 3.0 コンポーネントリファレンスガイドのメソッド項目を参照してください。

一般的なエラー処理タスク

次に、コードについて実施する必要がある一般的なエラーに関連するタスクを示します。

重要な概念と用語

次の参照リストに、この章で使用する重要な用語を示します。

章内の例の使用

この章の進行に合わせて、サンプルコードリストを実際にテストすることができます。基本的に、この章のすべてのコードリストには、適切な trace() 関数呼び出しが含まれています。この章のコードリストをテストするには :

  1. 空の Flash ドキュメントを作成します。
  2. タイムラインのキーフレームを選択します。
  3. [アクション] パネルを開いて、コードリストを [スクリプト] ペインにコピーします。
  4. [制御]-[ムービープレビュー] を使用して、プログラムを実行します。

    コードリストの trace() 関数の結果が [出力] パネルに表示されます。

後半のコードリストの一部はより複雑で、クラスとして作成されています。これらの例をテストするには:

  1. 空の Flash ドキュメントを作成して、コンピュータに保存します。
  2. 新しい ActionScript ファイルを作成して、Flash ドキュメントと同じディレクトリに保存します。ファイル名は、コードリスト内のクラスの名前と同じ名前にしてください。たとえば、コードリストで ErrorTest という名前のクラスが定義されている場合は、ErrorTest.as という名前で ActionScript ファイルを保存します。
  3. コードリストを ActionScript ファイルにコピーして、ファイルを保存します。
  4. Flash ドキュメントで、ステージの何もない部分または作業スペースをクリックして、ドキュメントのプロパティインスペクタを起動します。
  5. プロパティインスペクタの [ドキュメントクラス] フィールドに、テキストからコピーした ActionScript クラスの名前を入力します。
  6. [制御]-[ムービープレビュー] を使用して、プログラムを実行します。

    例の結果が、[出力] パネル (例で trace() 関数が使用されている場合) またはサンプルコードによって作成されたテキストフィールドに表示されます。

サンプルコードリストをテストする手法の詳細については、章内のコード例のテスト を参照してください。


 

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